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夫婦で育てるワインと絆-RESTAURANT NEW ZEA PLATFORM 箸本 珠愛

夫婦で築く「箸本流レストラン」

夫婦経営ならではの強みはどこだと思いますか
箸本:

もともと夫婦仲はいい方だと思うのですが…イメージ的に、ずっと一緒にいたら喧嘩するんじゃないかなって思いますよね(笑)でも意外とそんなこともなくて、むしろ一緒に子育てもお店も、自然体でやれているなっと感じています。例えば、ランチの営業が終わったら子供を迎えに行って、お風呂に入れて、また夜の営業に戻る…みたいな毎日なんですけど、そういう暮らしが心地よいリズムで進んでいます。今では、お店のことだけじゃなくて、生活そのものを一緒にしている感覚があります。ワインの仕入れのタイミングとか、料理のアイディアとか、そういう話も日常の会話の中で自然にできるのが強みのように感じています。

加藤:

素敵な関係ですね!!子育てとのバランスもしっかり取れているのが、お話からもよく伝わってきます。

箸本:

もちろん、大変なんですよ(笑)まだ子供が小さいので、いろいろ苦労はありますし…でも、なんだかんだで、それすらも楽しみながら毎日を過ごすことができています。

加藤:

料理人としてのご主人、そしてソムリエの箸本さん。お店も家庭も“夫婦二人三脚”という印象を受けますが、子育てもやはりお二人で協力されているのでしょうか。

箸本:

はい。ディナーが18時にスタートするのですが、その時間には子供たちはレストラン内の客席ではない場所で宿題をしたり、お店の手伝いをしてくれたり…あとは子供らしくテレビを見たり、それぞれ自由に過ごしてます。時には「帰りたくない」と泣く日もあります!!そういう時は「また明日もお店だからね」ってなだめてます(笑)お店が終わると、夫婦で一人ずつ抱っこして、子供たちをそのまま近くの家まで連れて帰るんですけど…多分、外から見たらちょっと不思議な光景かもしれませんね。きっと「大変ですね」って思われてるんだろうなって感じます。

加藤:

帰宅のその瞬間だけを見ると「大変そうだな」と思われる方もいるかもしれませんが、お話をうかがっていると、むしろお子様たちも楽しみながら過ごしている様子が伝わってきますね。

箸本:

子供たちにとっては大変な思いもさせているとは思います。でも、キャンプ感覚で楽しんでくれている部分もあってすごく助かっています。これからもう少し大きくなると、少しずつ自立していくんだろうなとも思います。今は、まだ子供たちが小さいので、こういうスタイルで協力してやっていますが、それも含めて「今しかできないこと」だと思うので…きっといつか振り返った時に「こんな時もあったね」と家族にとって良い思い出になると信じて精いっぱい過ごしています。

加藤:

等身大のリアルなお話と、心温まる素敵なお話をありがとうございました。本当に理想的なご家族だなと感じます。一緒に働く中で、ご主人のすごさをあらためて感じる場面も多かったのではないですか。

箸本:

そうですね。今までは見えていなかった部分が、時間を共にする中で自然と見えるようになってきました。そこから改めて、彼のすごさに気づかされることが多くなりました。彼はオーナーで料理人としても毎日腕を振るっています。サービスはアルバイトの方たちにサポートしてもらっているんですが、本当に全体を見ていて…週1日しか休みがない中でも、その1日もオーナーとして手を抜くことは一切ありませんでした。朝から夜の営業、そして営業後の経理作業まで、すべて一人でこなしていたんです。毎日、長時間の仕事と並行して家族との時間も大切にしてくれていて、その体力と気力には本当に尊敬しかありません。

加藤:

そんなご主人と同じフィールドで立てている、もしくは同じ熱量で向き合えていると感じたのは、どのタイミングでしたか。

箸本:

彼があるとき「これまで多くの支えがあったけど、経営者とは実は孤独なものだと聞いていて、それを実感していたけれど…マイナスなことも含めて相談できるようになってからは、一人でやってきたような感覚がなくなった」と言ってくれました。その言葉を聞いた瞬間、本当に嬉しかったですし「今までは、まだそこまで寄り添えていなかったのかも」とも思わされました。だからこそ、今のこの関係性は、お互いにとってすごくフラットに感じています。

加藤:

ご家族にまつわるエピソードは、素敵なお話しかでてこないようですね…次に行きます(笑)

忙しい人たちにも自宅で楽しめる簡単「最強ペアリング」があれば教えてください
加藤:

お忙しさを身をもって経験されている箸本さんだからこそ、お伺いしたいのですが……仕事や育児で忙しい方々でも、自宅で気軽に試せて、尚且つ、手間をかけすぎずにワインの魅力を感じられるようなアイデアがあれば教えてください。

箸本:

先ほどもお話しましたが、私が最初に覚えたワインがニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランです。なので今回は、自宅でも手軽に楽しめる「ソーヴィニヨン・ブラン×○○」のペアリングを伝授させていただきます!!私は九州出身なので、柚子胡椒が大好きです。九州では水炊きや地鶏料理に欠かせない調味料で、うちの食卓にもよく登場します。この柚子胡椒、実は本当に万能で、前菜にもお肉料理にもよく合うんですよ。ほんの少し加えるだけで、自宅でも簡単にペアリングの楽しさを感じられると思います♪

加藤:

たしかに、柑橘やハーブのニュアンスがあるので、想像しただけで相性が良さそうですね。それに、ソーヴィニヨン・ブランは、ステンレスタンクで仕上げたフレッシュなタイプから、樽熟成による複雑味のあるタイプまで幅広く展開されているので、料理に合わせてワインを選ぶ楽しみもありますね。

箸本:

冬はおでんにちょっと添えるだけでも楽しめますし、最近はチューブタイプもあるので、まずはそういった手軽なところから気軽に試していただけたら嬉しいです。こっそりおすすめしたい、とっておきのペアリング術です。ぜひ一度お試しください!!

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