札幌から発信する家族でつくるフランス料理文化-フランス料理店mondo 小川 水美
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Profileプロフィール
小川 水美
1995年東京都生まれ。エコール辻東京を卒業後、フランス料理の世界へ。
【モノリス】に就職し、サービスの研鑽を積む傍ら、21歳という若さでソムリエ資格を取得。【アピシウス】にてサービスマンとして学ぶ。数年間の別業界での経験を経て、2023年、両親と共にフランス料理店Mondoを開店。
ソムリエとして、料理の味わいを最大限に引き出すワインペアリングを提案するとともに、ゲスト一人ひとりに寄り添う温かいサービスで、心に残る食の体験を創り出しています。
フランス料理店mondoは、フランスで買い集めたテーブルウエアや小物、毎週届く生花で飾られた暖かな雰囲気の中、シェフの作り出す渾身のフランス料理をソムリエである息子が厳選したワインと楽しんでいただけます。

最初に〜今回のインタビューを行った背景〜
グラン・メゾン、大衆酒場、そして個人店…日本の「食」は、現在も多様な個性を育みながら変化し続けている。「なぜ人は、この店に集まるのか」。人気店には、共通してその答えとなる温度が宿っているように思う。
今回インタビューを行った札幌のフランス料理店 「mondo」 には、その変化の中でも揺るがない確かな答えがあった。派手な演出ではなく、家の食卓のように寄り添う空気。伝統に縛られすぎず、しかしフランス料理の根幹を誠実に守る姿勢。そして何より、目の前の一皿にその日の120%で向き合う情熱。
インタビューを通して浮かび上がってきたのは、「mondo」という店が紡いでいるフランス料理文化の本質。札幌という土地から発信されるその温度は、今も不変の価値観としてしっかりと世代を超えて受け継がれている…
「食」の原点
本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、今回のご縁は、お父様と私がレストラン時代に一緒に働いていたことから生まれました。水美さんにとって、幼少期から「食文化」は常に身近な存在だったように感じます。実際はいかがでしょうか。
そうですね。私が中・高校生の頃、両親がレストランに勤めていたので、物心がついたときからそれが当たり前の環境でした。
ご家庭でもお父様が料理を作っていたのですか。
いや、家では全然作らなかったですね。お店で食事することはありましたが、家ではレストランとはまったく別世界というか…でも、今になって思うと、そんな環境が自分にとって自然と「食」への関心を育ててくれていたのかもしれません。
やはり今になってからは両親の存在の大きさを感じています。子どもの頃は特に何も感じてなくて「うちの両親って稼いでるのかな」くらいの感覚でした(笑)でも、今になってようやく、両親のすごさとか言うか…あの時代に、グラン・メゾンで働いていたことの苦労や凄みが少しずつ理解できるようになりました。
私もその時代に勤務していたので、自分事のように嬉しいです。では、ソムリエを志したきっかけについて教えてください。
私の場合、もともと料理の世界に進むつもりで辻調理師専門学校に通っていました。卒業後に入社したお店で、配属先が希望の厨房ではなく「最初の1年はサービスから」というよくあるパターンですね。最初は「早く厨房に行きたい」と思っていたんですが、半年もしないうちにサービススタッフが全員辞めてしまって…(笑)。結果的に自然とホールを任されるようになりました。
私自身、飲食業界でさまざまな経験をしてきましたが、楽しい瞬間がある一方で、今振り返っても本当に大変な世界だと感じています。水美さんも、厳しい環境下で働かれてきた印象を感じます。辻調理師専門学校で土台は築かれていたと思いますが、実際の現場では、全く違うフィールドゆえに戸惑いもあったのではないでしょうか。
そうなんです!!そのとき「お客様にワインのことを聞かれて答えられないのは恥ずかしいな」と感じたのが、ワインを学ぶ最初のきっかけでした。料理は学校で勉強していましたが、ワインは全くの未知の世界。そこから少しずつ勉強を始めました。当時20歳で試験を受けて、誕生日を迎えた後に合格通知をいただきました。
すごいスピードでの資格取得ですね。私は23歳でソムリエ資格を取得しましたが、業界でも最年少の部類に入るのではないでしょうか…尊敬いたします!!ソムリエを目指された時のエピソード、レストランらしい背景も伺い知れて、とても面白かったです。

撮影場所:フランス料理店mondo
