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ペアリング体験記 at フランス料理 mondo

フランス料理店 mondo -Chef 小川 主水-

小川 水美-MINAMI OGAWA-

Profileプロフィール

シェフ:小川 主水

1972年広島県生まれ。フランス料理店mondoオーナーシェフ。
エコールキュリネール国立 辻フランス料理専門カレッジを卒業後、同校フランス校へ進学。フランス、リヨン【ポールボキューズ】にて研修。その後は【志摩観光ホテル ラ メール】【タイユヴァンロブション】【ミクニマルノウチ】、そして【ミクニサッポロ】【オテルドミクニ】では料理長を務める。料理人人生を過ごすのが長かった札幌にて【フランス料理店mondo】を開店。

Profileプロフィール

ソムリエ:小川 水美

1995年東京都生まれ。エコール辻東京を卒業後、フランス料理の世界へ。
【モノリス】に就職し、サービスの研鑽を積む傍ら、21歳という若さでソムリエ資格を取得。【アピシウス】にてサービスマンとして学ぶ。数年間の別業界での経験を経て、2023年、両親と共にフランス料理店Mondoを開店。
ソムリエとして、料理の味わいを最大限に引き出すワインペアリングを提案するとともに、ゲスト一人ひとりに寄り添う温かいサービスで、心に残る食の体験を創り出しています。

フランス料理 mondoでの体験レポート

今回のペアリング記事では、インタビューでも伺った札幌のフランス料理 mondoでの体験をレポートします。料理を手がけるのは小川シェフ。長年培ってきたフランス料理の技術に、旬の素材と真摯に向き合う姿勢が重なり、北海道の素材とフレンチが融合した一皿が生まれます。

今回はその料理に寄り添う形で、信濃屋の自社輸入フランスワインを、水美さんが最適な状態・温度・サービスで提供してくださいました。

家族で営む温かな空気の中で「北海道の素材 × 小川シェフのフランス料理の技術 × フランスワイン」が織りなす料理だけでなく「空間が調和する」贅沢な時間となりました。ぜひ、札幌のフランス料理 mondoを訪れたかのような気持ちでお楽しみください。

料理とワインのペアリング

L’Amuse-bouche

羽幌沖カスベ頬肉の生ハム巻きベニエ

Champagne

レベック・デュハン アドレ・ブリュット ミレジメ[2016]

ワインの詳細はこちら

羽幌沖カスベ頬肉の生ハム巻きベニエ

CHECK

羽幌沖のカスベ(エイ)は、北海道の冬を支える伝統食材。その頬肉を生ハムで巻き、ベニエに仕立てるという発想は、フランス料理にルーツをもつ「ベニエ(揚げ包み)」の文化と北海道の素材が響き合う一品。竹炭で染められた衣は、風味を損なわず旨味を閉じ込めた技法ともいえる前菜に仕立てられております。

加藤のコメント:

生ハムの塩味が泡の熟成感を引き立て、ベニエの揚げ香がレベック・デュハン ミレジメの酸味、更にはシャンパーニュの特徴でもある長期熟成で澱との接触から生まれるブリオッシュやナッツ香と綺麗に調和します。

Entrée / Hors-d’œuvre

赤平産仔羊の焼きパテと茄子のピューレ

Red Wine

ジヴリ・ルージュ プルミエ・クリュ クロ・デュ・ヴェルノワ モノポール[2022]

ワインの詳細はこちら ※オンラインショップでは2021年を販売中です

赤平産仔羊の焼きパテと茄子のピューレ

CHECK

仔羊特有の優しいミルキーさと、赤身のコクのバランスが抜群で、火入れや味付けでその繊細さが際立つ料理です。仔羊の持つ香りと旨味を最大限に引き出すために、素材の輪郭を生かすシンプルな調理方法。添えられる茄子のピューレとバジルの香りはスパイスのニュアンスを纏わせ、質感を柔らかく包み込みます。

フランス料理やビストロの定番「パテ」は、家庭の食卓と深く結びつく料理。北海道の山の恵みをフランスの家庭料理を代表するパテとして構築した一品。

コート・シャロネーズの5つのアペラシオンの1つ「ジヴリ」に拠点を構える
ドメーヌ・デヴィーニュのモノポール(単独所有畑)
加藤のコメント:

クロ・デュ・ヴェルノワはドメーヌが単独所有する、いわゆるモノポール。粘土質と石灰質が混在する多層的な土壌が、ジヴリらしい骨格とミネラル、果実味の調和をもたらすワインです。2022年は温暖な気温に恵まれた年。その恩恵を受けたピノ・ノワールから造られるこのワインは、ジヴリの持つ「ラスティックさ」と「エレガンス」が表現されています。赤平産仔羊の柔らかい肉質と、ジヴリの果実感が同調。肉の旨味とバジルのスパイスがワインと重なり合うことで奥行きと余韻を引き延ばします。食べ進めるほどに、料理とワインが一体化する見事な橋渡しのペアリングを体験。

Soup

釧路沖秋刀魚のビスク

Red Wine

ドメーヌ・ラ・クロワゼ・コントワーズ コート・デュ・ジュラ プールサール[2022]

ワインの詳細はこちら

釧路沖秋刀魚のビスク

CHECK

小川シェフは、この秋刀魚を内臓から骨まで余すところなく使い切り、旨味を凝縮したビスクに仕立てています。ビスクといえば濃厚でクリーミーなスープのことから、甲殻類を思い浮かべる方も多いと思いますが…この秋刀魚でつくるビスクは、北海道の素材とフレンチの技術が融合する mondo ならではの一皿。内臓のほろ苦さ、骨から引き出される旨味…これらが絡み合い、濃厚な味わいを生み出しています。フレンチの技法でありながら、どこか和のニュアンスをまとった奥深いスープ。

加藤のコメント:

合わせるのは、ジュラ地方の土着品種プールサールを使用した赤ワイン。透明感のあるプールサールは魚介へのアプローチとしても驚くほど万能性があります。一見ミスマッチに思える組み合わせのように思えるかもしれませんが…内臓の苦味、凝縮した旨味、軽快な酸、透明感のある旨味が料理とワインのバランスを織りなす水美さんのセンスが光るペアリングとなりました。