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レストランとワインショップの融合

旧世界も素晴らしいが、新しい産地にこそ光あれ

成澤さんが注目している産地や品種はありますか
成澤:

既に注目はされていますが個人的にも中東とカナダは気にしてます。
中東ではイスラエル、レバノン、トルコなど、今まで日本にはあまり入荷していませんでしたが、試飲するとクオリティーの高さを感じました。カナダでは、独自に(※2)アッサンブラージュした白ワインやカベルネ・フランなどは高品質なワインが多くて今後も楽しみですね。

※2アッサンブラージュとは…ワインの原酒を混ぜ合わせる伝統的な技法

日本ワインに関してはどのような印象ですか
成澤:

日本ワインも新しいフェーズに入ってきているように思います。
ワイナリーも年々増加しているのは嬉しいですよね。構図的には、新進気鋭なワイナリーと老舗ワイナリーの二極化している印象があります。
国内の銘醸地「北海道」「山梨」「長野」などは日進月歩で目を見張る進化をしています。国産品種の『甲州』や『マスカット・ベーリーA』の評価は言うまでもありません。プラスしてメルロやシャルドネなどのメジャー品種だけでなく、日本の土地に合う国際品種『サンジョヴェーゼ』『アルバリーニョ』などでも素晴らしいワインが増えたなと感じます。

加藤:

同感です。クラシカルなワイナリーだけでなく、ナチュラルワインの生産者が増えてきましたよね。

成澤:

個人的には新進気鋭のワイナリーにナチュラル志向のワインが多いのが懸念点ではありますね。ナチュラルワインブームも追い風になってナチュラルワインを造るのは理解できますが、そこだけにフォーカスして造っていないか心配です。しっかりとその土地や品種の特性を理解して、造り手が理想とするワインスタイルを見据えて造ることで、消費者が求める美味しい日本ワインが今後も増えていってほしいなと思います。

成澤さんにとっての「ワイン」とは

ワインに目覚めたきっかけはありますか
成澤:

今までも取材でお答えしたことがあっても、あまり面白くはないとカットされるのですが…(笑)
元々はバーテンダーをしていました。個人的にはバーテンダーは個人商店だと思っていて、そこで育ったものですから、レストランを手伝った時のチームワークに触れたのがキッカケですね。アスリートが個人種目で金メダルを取ることも素晴らしく感動しますが、個人的には団体で金メダルを取った時の方が高揚感があるので必然的にレストランに魅了されました。チームワーク=レストラン=ワインというのが方程式であったのでワインを仕事にするようになりました。

印象に残っているワインはありますか
成澤:

若い頃に初めて飲んだルフレーヴのピュリニー・モンラッシェを飲んだ時の印象は鮮明に覚えています。
あとは質問の答えにはならないかもですが、一つ想い出に残っているエピソードはあります。
ソムリエを取って間もない頃に、当時所属していたレストランで任されたワインリストの作成は感慨深かったですね。今でもそのリストに載せたワインを使う時は当時の思い出が蘇ります(笑)ワインを楽しむうえでは、思い出も大切な要素だと実感した体験です。

加藤:

素敵なエピソードです。その思い出のワインは美味しさも特別なものなのかもしれませんね。ワインに目覚めるきっかけや思い出は誰にでもありますね(笑)