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レストランとワインショップの融合

レストランの未来を見て欲しい

仕事での信条はありますか
成澤:

『未来に繋げること』が信条です。
未来が見えない仕事はしないように心がけています。お客様との未来、一緒に働く方々との未来、業界の未来、レストランの未来、もちろん自分の未来も含めてですが、先に繋がるように仕事に取り組むことを大切にしています。

今後のレストランに必要なことはありますか
成澤:

お店単体で考えていく時代は終わっていて、如何にレストラン外のフィールドで活躍できるかが重要です。

加藤:

我々ワイン専門店にも同様に当てはまりそうですね。

成澤:

来店を待つだけでなく、ワインに触れる機会(体験)を創り出す事が大切ですね。冒頭に話した通り体験を売る時代から人にフォーカスする時代に変化を迎える中で、個を伸ばすことは肝心だと思います。

ワイン業界で働く若者たちへメッセージはありますか
成澤:

宝ですよ。
たくさんの魅力がある業界ではありますが、夢(目標)が持てない環境下にいる方々もいるのかなと感じています。その中で自分がロールモデルになりたいなと思っています。

加藤:

素晴らしいと思います。我々が働いていた20代とは価値観や働き方も変わっていますからね。

成澤:

そうですね。今は、ひと昔前と違い経験を積まなければ上に立てない時代ではありません。クリエティブな人材ほど今はワイン業界に向いているなと思います。今は『発信』と『センス』が重要です。個人が直接SNSなどで商売も可能な世の中なので、個人的には時代に合わせてワイン業界もそんな人材が活躍して欲しいですね。なので長くワイン業界で活躍して欲しいなと思います。

お酒を飲むことに価値を生むことが大切

若い方々の酒離れは、ワイン業界も同様に当てはまると思いますが、ワインを飲む機会を増やすことに必要なことはありますか
成澤:

お酒を飲むことへの価値観が変化してきているので、お酒を飲むことに価値を生むことが大切だと思います。

加藤:

我々、ワイン専門店でも若い方に向けたアプローチは大切だと思っています。今回このように交流させていただいた根本かもしれませんが、ワインを初めて飲んでみたいと思わせるのは重要ですよね。

成澤:

時代が価値観の多様性を生んだ結果が「お酒を飲まなくてもいいよね」という風潮を創り出した側面はあるのかなと思います。ワインは他のお酒と比べても、お酒を飲む時間に価値を見出せると感じています。世界で一番普及しているお酒であり、古い歴史もあります。知的好奇心を満たしてくれるワインは、とても魅力的です。酔うことや飲むことが楽しいと問うのではなく、ワインを飲むことが価値のある時間(思い出)を創造していることを、伝えていきたいなと思います。

加藤:

我々の時代に比べたら、多様性が増えているということは選択肢も多いという事ですから、それだけの選択を出来ている現代の若い方々は素晴らしいと思いますよね。

ワインとの出会いが人生を豊かにする

最後に成澤さんからメッセージをお願いします
成澤:

改めてこの数年間は出会いの重要性を実感できた時間だと思っています。
レストランの体験や料理との出会い。レストランではソムリエやシェフとも出会えます。ワインショップで一期一会のワインと出会う。体験や人と出会う事と同じぐらいワインとの出会いはエキサイティングで素晴らしいことだと思います。是非、皆様もワインを通して様々な出会いをして人生を豊かにしていただければと思います。

Restaurant TOYOと言えばビルカール・サルモン

あとがき

今回が初めてのインタビューでしたが、改めて最初のインタビューを成澤さんに受けて頂けてよかったなと思いました。このサイトを立ち上げた理由でもある「ワインをもっともっと広く、たくさんの方々に楽しんでもらいたい」そんな想いに共鳴して存分に語って頂けました。

我々の想いが、この記事を読んで頂いた皆様に少しでも届きワインを飲みたいな、ワインが面白いなと思う気持ちになってくれていればこれ以上に嬉しいことはございません。今後もそんなワインの魅力を伝えていきたいと思います。

文末になりましたが、取材にご協力いただいた成澤さん、お忙しい中にも関わらず本当にありがとうございました。初めてで拙い我々にも関わらず、優しくそして情熱的にワインを伝えてくださったことがとても嬉しく思います。これからもワインの魅力を発信していきたいと思います。

インタビュー:加藤 雅也/文:升田 浩輔/撮影:浦川 なお

この記事のインタビュアーは・・・

加藤 雅也 -Kato Masaya-

鳥取県出身。ホテルオークラ東京(現TheOkuraTokyo)で当時、国内随一の人気と格式のあるフレンチレストランLaBelleEpoqueにてサービスに従事。数々の海外星付きシェフのフェアなど経験し、フランス料理の神髄とサービスマンとしての振舞いを学ぶ。その後、丸の内再開発プロジェクトとしてOPENした、ミクニ・マルノウチにてソムリエに就任し、当時PP100点のボルドー ワインを全てオンリストするなどして話題に。そして若手ソムリエコンクール(当時25歳以下)にてファイナリストを経験。ソムリエとして更なる飛躍を目指し、当時パリ一つ星「STELLA MARIS」 の吉野建氏が東京にOPENした「tateru yoshino」のソムリエに就任。 現在は、信濃屋のワインバイヤーとして、ソムリエとしての経験と世界11ヶ国のワイン生産地を訪れた現地での情報を基に、ビギナーからプロフェッショナルまで楽しめるワインショップとして業界で注目され続けている。 また人と人との出会いを大切に、オン・オフのマーケットの交流とリテールに携わる人々の社会的な向上をはかり広く社会へ貢献することをモットーに日々奮闘中。

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