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一人でも多くへ届け“本物の”ニュージーランドワイン

ニュージーランドワイン専門インポーター 株式会社サザンクロス

代表取締役/CEO 檀原 正広-Danbara Masahiro-

Profileプロフィール

1979年生まれ。長野県出身。大学卒業後にオーストラリアへ渡りワインに魅了される。帰国後からワイン業界の仕事を続ける中でいつしかNZワインの虜に。31歳で株式会社サザンクロスを設立し、NZワインを感動や驚きと共に届け続ける事がライフワーク。

<About Southern Cross>
サザンクロスはニュージーランドワイン専門のインポーターです。ニュージーランドワイン特有の個性に魅了され、ニュージーランドワインだけに特化してワインの輸入に取り組んでいます。
ワイナリーと長く共に成長できる関係を作り、生産者の情熱や信念、そのワインが生み出される背景もワインと共にお届けしたいと本気で考えています。その為、取り扱いは非常に少数ですが、個性的で誠実で情熱にあふれる生産者のワインに拘って輸入しています。
特化することで広くニュージーランドを知り、深く生産者を理解することに努めています。日本へ輸入されているニュージーランドワインのシェアはわずか1%足らずですが、今後の伸びしろの大きな生産国だと考えています。あなたのパートナーとして、どうやってニュージーランドワインの魅力を伝えていくかに取り組んでいきます。
会社の資源も時間もひとつだけに集中することで、スペシャリストとして素直に美味しいと思えるニュージーランドワインを感動や驚きと共に、飲み手に届け続けていくことをミッションとしています。

檀原 正広を紐解くキーワード

最初に〜今回のインタビューを行った背景〜

日本にワインが定着して早幾年。ワイン消費数量は40年前と比べて約8倍。10年前と比べてもおよそ1.3倍に拡大した。何度かのワインブームを経て日本国民のワイン消費数量は着実に伸びてきた。しかしながら、国酒である日本酒・焼酎・ビールなどの消費量に比べると、ワインのハードルはまだ高いように感じられる。未だに「ワインは難しい」「ワインは敷居が高い」と思われ手に取られていないのも事実だろう。

そんな中、1980年代のニュージーランドのマールボロ地区で造られたソーヴィニヨン・ブランが人気の火付け役となり、今では世界的に認められたニュージーランドワイン。そんなニュージーランドワイン専門のインポーター 檀原氏に話を伺ってきた。

今回のインタビュー記事で、今までワインに触れてこなかった方や、逆にワインに慣れ親しんだ立場の方にでも、ワインというのはあまり深く考えすぎず「身近に」「純粋に」「楽しむこと」なのではないかと、思い起こさせてくれることを期待してしまわずにはいられない。そんな魅力がニュージーランドワインにはあることに少しでも多くの人々に届いてほしいと願う。

そして、飲食業界・輸入代理店(インポーター)・小売店…一見、華やかに見える業界ではあるが、体力・精神的にもタフでなければ務まらないことも広く知られているのはではないだろうか。ワイン業界に飛び込みたいけど…という方にも届いてほしい思いが詰められたメッセージもあった。ワイン業界は魅力ある職業だなと感じてもらいたい、少しでも背中を押したい、ワイン業界を盛り上げたい…今回はそんな思いも伝えていきたい。

株式会社サザンクロス 代表取締役/CEO 檀原 正広氏
撮影場所:Pacific DRIVE-IN(パシフィックドライブイン)

走り続けながら見つけたサステナブルなビジョン

サザンクロスとは星座の「南十字星」のことを指しているのだと推測できますが、なぜ社名に採用したのでしょうか。
檀原 正広(以下、檀原):

初めて南半球に行き、南十字星を見た際の感動が忘れられません。南半球からしか見れないという観点も好きですし”サザンクロス”の語呂からもニュージーランドのイメージが思い浮かびやすいと思い社名にしました。

加藤 雅也(以下、加藤):

コンセプトがしっかり伝わってきますね。ロゴにも意味があるのですか。

檀原:

ロゴは、ニュージーランドのシンボルでもあるシダの新芽(マオリの言葉で”KORU”)を、サザンクロス(南十字星)にデザインして、ニュージーランドを思い描くカラーの緑(グリーン)を使用して作成しました。

ニュージーランド航空の尾翼に描かれている「コル」
出典:Air New Zealand(ニュージーランド航空)
元々は東京都内に拠点を構えておりましたが、なぜ海の近くに引っ越したのでしょうか。
檀原:

ニュージーランドを訪れるようになってから、海と自然、そこに町が重なり合う情景が忘れられず、日本に戻ってきてからニュージーランドと似た雰囲気の場所で働きたいと思うようになりました。仕事柄、都内へのアクセスが近いという条件は外せませんでしたが、何より海沿いの物件は色々と足を運んで探しました。中でも七里ガ浜から鵠沼へ続く道が、マールボロからネルソンに抜ける道に似ていて「ここがいいなぁ」っと心の中では決めてました。最終的に、当時の家族状況を考慮してここ(湘南)に決めました。

加藤:

何度か訪問させていただいておりますが”湘南”と聞くと遠いのかなという印象を持ちましたが、アクセスが良いので慣れるととても良い環境だなっと実感しています。今回この場所※1を指定された時に、一緒にニュージーランドに行った際の風景(マールボロからネルソンに抜ける道)が浮かんできました(笑)確かに似た雰囲気がありますね。

※1 檀原氏がニュージーランドを感じる場所“Pacific DRIVE-IN”

元々ワイン業界で働いていた訳ですが、独立してニュージーランドワイン専門商社を立ち上げたいという強い思いはなぜ芽生えたのでしょうか。
檀原:

結果論ですが、今思い返せば他の方法もあったのかなと思います。ただ、当時は学生時代から漠然と独立志向が強かったです。そこから、ワーキングホリデーを経て飲食店・インポーター(輸入代理店)・小売店を経験して、一番しっくりきたインポーター(輸入代理店)で起業しました。

加藤:

なるほど。では、なぜニュージーランド専門のインポーターとなったのでしょうか。

檀原:

ワーキングホリデーの経験から”ニュージーランド専門”というのは決めていました。オーストラリアも頭の中に若干ありましたが…幸運にも最初に扱えたニュージーランドワインが素晴らしかったですし、そこからニュージーランドに行く度に惚れ込んでいき、専門性を高めて扱うことで応援してくれる方々に出会えたので、ニュージーランド1本で行くことを決心しました。

設立から13年。設立当時に描いていた『これからの10年』と『実際に過ごした10年間』を思い返してみて感じることはありますか。
檀原:

まずは、仕事が継続できていることが嬉しいですね。大きな変化は望みませんが、これからも生産者との繋がりやお客様との繋がりを大切にして、コツコツと継続できる年数を重ねていきたいです。あとは、何よりスタッフのみんなが長く務めてくれていることが嬉しいので、チームでしっかりと目標を持って目の前の課題に取り組んでいきたいと思います。

加藤:

同じ方々が長く務めていられることは素晴らしいと思います。我々としても安心感がありますし、長い年月をかけて信頼関係も構築できるので仕事の面でもお互いの相乗効果があると感じます。

檀原:

ニュージーランドは経済成長だけを追わないと言われますので、それよりも”サステナブル”に続けていける「環境」や「人」を大切にするというニュージーランドらしい考えを、私自身も持ち続けていきたいと思います。