生産者インタビュー〜北海道余市町のワイナリー Domaine Mont(ドメーヌ・モン)山中 敦生〜
目次
思いを紡ぐ-ワイン造りを絶やさない文化に…-
レストランで勤務していた頃、ソムリエ試験で勉強するためにワインをたくさん飲んだことがキッカケでした。勉強のためにワインを学んでいく中でワインバーに通ったりするうちに自然とワインの魅力にハマっていきましたね。
その中で思い出深いワインはありましたか。
ワインが美味しいなと思い始めた頃は『ソーヴィニョン・ブラン』が好きでしたね。ニュージーランドのリッポンや甲州きいろ香などは印象的に残ってますね。
リリース当社、きいろ香が衝撃的だった印象は私も覚えております。そこからフラッグシップの『Dom Gris (ドン・グリ)』のようなピノ・グリでオレンジワインを造ろうと至ったのでしょうか。
北海道に興味を持ったキッカケの1本はナカザワヴィンヤードの『KURISAWA BLANC-クリサワブラン-』でした。元々、北海道でインストラクターを行っていたので、このワインでより北海道に興味を惹かれましたね。そこからナカザワヴィンヤードの中澤さんに人生のアドバイスをいただいて、導き出されたように『ドメーヌ・タカヒコ』の門を叩きました。
人の繋がりを感じるエピソードですね。ドメーヌ・タカヒコで曽我さんから何を学んだのですか。
曽我さんの元では、繊細さや日本らしさを学びました。赤ワインだとピノ・ノワールが元々好きだったので独立したときの選択肢にあったのですが、その分厳しさも学びました…そこで参考にしたのが『Nana Tsu Mori Blanc de Noir-ナナツモリ・ブラン・ド・ノワール-』ですね。そこにヒントを得て、ピノ・ノワールとほぼ遺伝子が同じの『ピノ・グリ』を使って、醸すことで複雑さも表現できると感じたので『ピノ・グリ』を選択して『オレンジワイン』を造ったという経緯です。
とても興味深くて面白いですね…ありがとうございます。
『人にやさしく、自分にもやさしく』ですね。身近な人にやさしくしろと言われることがありますよね。一番身近な自分自身にやさしくできないと他者やワイン(ブドウ)にもやさしくできないですから…
信条を聞くとやさしい味わいのワインからも山中さんのお人柄を感じ取ることができますね。お仕事内容はやさしいとは真逆にあるような過酷なものだと思いますがいかがでしょうか。
過酷ですが、慣れてしまえば大丈夫ですよ(笑)どの職業もそうじゃないですかね。
過酷ではありますが、魅力ある職業だと言いたいです。農家が他の業種と一番違うと感じる点は『簡単に辞めることができない』点です。畑は放棄してしまうと荒れてしまいますし、生態系も変えてしまいます。お店のように辞めたら次を探すように上手くはいきません。自分の姿を見て、農家を目指す人が増えてくれるぐらい魅力ある職業だと思ってもらえようにこれからも頑張りたいと思います。
お忙しい中、貴重なお時間を割いて頂きまして誠にありがとうございました。
あとがき
生産者にお会いすることは多々ありますが、今回のように膝を突き合わせて深く話し合う機会はとても緊張するものでした。笑顔の裏にある苦労や努力をワインから感じることはこのような経験から得られるのだと改めて感じることができました。またお話の中で人との繋がりがとても印象的でした。余市の登町に根を下ろすまでに出会った人々とのエピソード。その体験の中で導き出される答え。その集大成がDomaine Mont-ドメーヌ・モン-のワインには詰まっています。そんなワインが今後どのように進化を遂げて、次の時代に引き継がれていくのか…考えると楽しみで仕方がありません。既に人気生産者の仲間入りをしている山中さんですが、そんな傲りは一切なく腰が低く、穏やかで、やさしい。そんな魅力あふれる生産者 山中 敦生が造るワインが、この記事を読みながらよりたくさんの方々に届いてほしいと願います。末筆ではございますが、ご多忙の中受け入れてくれた山中ご夫妻に感謝申し上げます。
インタビュー:加藤 雅也/文:升田 浩輔/撮影:浦川 なお
以信伝心を最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。
今回、Domaine Mont(ドメーヌ・モン)のワインがついに信濃屋初入荷!!
信濃屋としての記念すべき1stヴィンテージはオンラインショップにて読者限定で販売しております。
<ご購入の際は、以下の点にご注意ください>
備考欄に「どんぐり」のキーワードを記載してご購入をお願い致します。
キーワードが無い場合はキャンセルとさせていただきます。
(購入後のメールでのキーワードも無効、キャンセルとさせていただきます。)
より多くの方々に購入していただきたいので
お一人様(一世帯・一配送先)どちらか1セット限り
とさせていただきます。
予めご理解ご了承の程よろしくお願いいたします。
詳しくは商品ページの注意事項をご確認ください。
注意事項
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この記事のインタビュアーは・・・
加藤 雅也 -Kato Masaya-
鳥取県出身。ホテルオークラ東京(現TheOkuraTokyo)で当時、国内随一の人気と格式のあるフレンチレストランLaBelleEpoqueにてサービスに従事。数々の海外星付きシェフのフェアなど経験し、フランス料理の神髄とサービスマンとしての振舞いを学ぶ。その後、丸の内再開発プロジェクトとしてOPENした、ミクニ・マルノウチにてソムリエに就任し、当時PP100点のボルドー ワインを全てオンリストするなどして話題に。そして若手ソムリエコンクール(当時25歳以下)にてファイナリストを経験。ソムリエとして更なる飛躍を目指し、当時パリ一つ星「STELLA MARIS」 の吉野建氏が東京にOPENした「tateru yoshino」のソムリエに就任。 現在は、信濃屋のワインバイヤーとして、ソムリエとしての経験と世界11ヶ国のワイン生産地を訪れた現地での情報を基に、ビギナーからプロフェッショナルまで楽しめるワインショップとして業界で注目され続けている。 また人と人との出会いを大切に、オン・オフのマーケットの交流とリテールに携わる人々の社会的な向上をはかり広く社会へ貢献することをモットーに日々奮闘中。