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以信伝心1周年特別企画 第1回ワインサミット

ワインサミットメンバー大絶賛 前菜で登場!!固定概念を超えるシードル!?

Hors d’oeuvre

千葉県産カワハギのカルパッチョ

サラダセロリととろろ昆布 マスタードのビネグレットソース

Cidre

ドメーヌ・モン Mont-C(モン・シー)[2022]

ワインの詳細はこちら

加藤のコメント:

今回は以信伝心で繋がった縁でこの食事会が実現しました。残念ながら以信伝心にご出演いただきましたドメーヌ・モン-Domaine Mont-の山中さんは本日不在です。そこで、山中さんご本人の代わりにワインに参加してもらいたいと思います。ドメーヌ・モン-Domaine Mont-のワインをRestaurant TOYOの料理にペアリングで合わせていただきます。

成澤:

味わいは非常にセック(辛口)で、シードルの概念が覆されます。シードルとしてではなく、ナチュラルワイン(白ワイン)としてレストランで扱いたい品質だと驚かされました。このペアリングのポイントは、シードル特有の酸味が際立っている点をドレッシングとして捉えた組み合わせです。なかなかシードルと生魚を合わせたりしないと思いますが、このシードルならば和食との相性もバッチリです。

神田:

とても美味しいですし、ガストロノミーなシードルだと感じました。そして、とろろ昆布との相性も秀逸です。フランスではブルターニュ地方の産物でシードルを飲む文化が根付いており、郷土料理の一つであるソバ粉のガレットとの組み合わせが楽しまれています。何気ない普段飲みで、ビールの代わりにグビグビ楽しめそうな1本ですね。我々のレストランではなかなか扱う機会がないので、とても面白いペアリングだと思います。

檀原:

品質だけでなく、販売価格(税込2,310円)にも驚かされました。この価格でこの品質であれば言う事はありませんね。

青木:

価格設定やラベル、ネーミングからも山中さんのセンスを感じますね。

島田:

私も実際に今年の6月に北海道のドメーヌ・モン-Domaine Mont-を訪問させていただきました。快く試飲をご提供して頂き、ワインと共に山中さんの優しいお人柄に触れることができました。もちろん現地(北海道)でもワインを購入することは出来ませんでしたが…この後のワインペアリングもとても楽しみです。
ここで私から海外ワインのスペシャリストでもある皆様に質問させてください。

今回集まった皆様は主に海外のワインを扱っていらっしゃいますが、海外のワインを主に飲む方から日本ワインはどのように感じますか。また、日本ワインがもっと普及していくためには何が必要だと感じますか
青木:

私は元々「グリ・ド・甲州」※2の開発に携わっておりましたから、日本ワインの躍進を長く見守ってきました。ここから更に一つ階段を上がるためには、ソムリエや販売員はもちろんインポーターも含め、しっかりとその魅力を発信できるところで取り扱われることが大事になってくるのではないかと思います。

※2 「グリ・ド・甲州」の詳細はこちら

檀原:

ナチュラルワインと日本ワインの流通には共通点を感じます。一部の場所でしか入手できないものがあり、特に人気のあるワインはあまり販売されていないように感じます。言うは易く行うは難しですが…やはり生産量を増やし、流通を拡大することが今後広く日本ワインを普及するためには必要だと思います。

加藤:

もはや日本ワインの品質が高いことは周知の事実です。ここ数年で海外ワインが高騰傾向にある中、日本ワインは海外に比べると値上がりが穏やかなので、日本ワインを手に取ってもらう機会が年々高まっていると感じます。

神田:

レストランで使いたいワインほど手に入らないですし生産本数も少ないので、使いたいけど使えない状態でもあります…日本ワインは「テロワールの味わい」よりも「生産者の味わいに」なってきている傾向にあるので、その土地のテロワールを表現できるようになっていくと日本ワインの多様性も更に広がり、普及に繋がっていくのではないかと思います。

成澤:

日本ワインの普及と言う点では…私は自身のお店でペアリングを提供する際には、必ず日本ワインを取り入れるようにしています。日本ワインを啓蒙する意味でも積極的にお客様にお勧めしています。そしてお客様にその魅力を伝える時は、極力海外のワインと比較せず、純粋にワインと向き合ってもらえるように言葉を選びながら生産者の言葉を代弁できるよう努めています。

青木:

お食事をしていて思ったのは…今回のようにワインペアリングとして、レストランのソムリエが率先して日本ワインを使用していくことは素晴らしい成功事例になると体感しております。日本ワインでペアリング体験をしたことで、その人の中で日本ワインの評価が上がり、お客様が自ら日本ワインを選ぶ機会に恵まれるかもしれません。そして、そういった体験を与えてくれたソムリエ(レストラン)の信頼や評価も上がって好循環が生まれるのではないかと思います。

成澤:

そうですね。それがソムリエの足跡にもなる思います。

島田:

ありがとうございます。私は、イベントなどで日本ワインの魅力を伝える機会が多々あります。次回からは、いただいた意見を参考に日本ワインの魅力をより鮮明に伝えていきたいと思います。

ドメーヌ・タカヒコの曽我 貴彦氏の下で2年間(2014~2016)栽培と醸造を研修した山中 敦生(ヤマナカ アツオ)が2016年春から独立し、北海道余市郡余市町登町の標高50m前後に位置する約3ha(栽培面積は1.5ha、5,000本)の畑でピノ・グリのみを栽培する小さな農園兼醸造所。

山中 敦生プロフィール

茨城県古河市出身。早稲田大学在学中にスノーボードの魅力に取り憑かれ、スノーボードインストラクターの資格を取得し、北海道内のスキー場で働き始める。シーズンオフに派遣でリゾート地のレストランで働いていた際、ワインを扱うレストランに配属されたことをきっかけにワインに傾倒。ソムリエの資格を取得し、畑ごとに違うワインの特性にますます興味をいだき、自分でブドウを栽培したいとまで考えるようになる。縁があってドメーヌ・タカヒコの曽我 貴彦氏の元で2年間の研修を受け、2016年に小さな醸造所を持つ農家として独立。今後は自然と共に歩みながら、北海道の四季を表現できる農家としてワインを醸造していくことを目指している。

Domaine Mont(ドメーヌ・モン)山中 敦生氏のインタビュー記事はこちら